魚喃キリコの漫画おすすめ8選！現在の活動は？代表作から短編集までご紹介

「魚喃キリコ」の名を聞いて懐かしく思う大人の女性も多いのではないでしょうか。魚喃キリコは1990年代後半～2000年代前半にかけて活躍した漫画家で、名前の読み方は「なななんきりこ」です。印象的なペンネームにしたかったのが名前の由来だとの説があります。

魚喃キリコは独特の美しい線・無駄のないクールな画面で10～20代の恋愛をリアルに描き出し、多くの女性の心を掴んできました。特に女性心理の描き方は秀逸で、丁寧な描写に読んでいて胸が苦しくなるほどです。

この記事では、魚喃キリコの代表作を解説し、おすすめ漫画を紹介します。プロフィールや現在の活動についても取り上げているので、ぜひ最後までご覧ください。

魚喃キリコは1972年生まれ、新潟県出身です。1993年に漫画家デビューして以来、『Hanako』や『CUTiE Comic』などさまざまな雑誌で連載作品を発表してきましたが、2010年以降は休筆しています。休筆の具体的な理由は明かされていません。

2020年に限定新装版9冊と作品解説集を出版し、再び注目を集めました。発売当時は無料で試し読みできた作品もありますが、現在は試し読みできないようです。

月刊誌『FEEL YOUNG』で連載されていた作品です。職業も悩みも異なる4人の女性の日常を描いています。2002年にコミック化され、2006年に『ストロベリーショートケイクス』のタイトルで映画化されました。映画には魚喃キリコ自身も俳優として参加しています。

4人ともどこにでもいるような普通の女性ですが、だからこそ彼女たちの心の葛藤が手に取るようにわかり、気持ちが痛いほどわかります。孤独を感じたときに読み返したくなる作品です。

1996年に『コミック アレ！』で連載されていた、著者初の長編作品です。女子高を舞台に、2人の女の子の友情とも愛情ともとれる複雑な心の動きを丁寧に描いています。思春期ならではの純粋さがあふれており、高校生が読むと共感でき、大人が読むと当時を思い出して切なくなるような漫画です。

2003年に公開された映画には、魚喃キリコが脚本やキャスティングに関わっています。漫画の世界観がうまく再現されているので、漫画とあわせてチェックしてみてください。

1998～1999年に『CUTiE Comic』で連載されていた漫画です。同棲中の恋人と、偶然再会した昔の恋人、2人の男性の間で揺れ動く主人公の姿を描いています。

まるで「南瓜」と「マヨネーズ」のようにありふれた日常が描かれており、主人公の心情に共感できると人気があります。連載から約20年後の2017年に映画化されたことで、魚喃キリコをリアルタイムで知らない世代にも広く知られるようになりました。

『Hanako』で長期連載されていた漫画です。ワイルドでおおらかな性格の主人公・ハルチンと、正反対な性格の親友の日常が描かれています。魚喃キリコの作品の中では珍しく恋愛要素のない漫画ですが、彼女らしい観察眼の鋭さで日常が切り取ってあり、共感できる点が盛りだくさんです。

全2巻で、1巻ではハルチンは20代ですが、2巻では30代になっています。ほのぼのとしたストーリーで1話完結型なので、気軽に読めるのが魅力です。

魚喃キリコのデビュー単行本です。1996年に青林堂から刊行されましたが1度絶版になり、1998年マガジンハウスより再度刊行されました。19編の短い物語が収められています。

初期の作品なのに世界観がしっかりと確立されており、短いながらも魚喃キリコらしさが感じられる作品ばかりです。一般的な漫画のように起承転結がはっきりしている漫画ではなく、詩的で読後に何とも言えない余韻が残る、独特の作品もあります。

魚喃キリコの世界観が好きなら、2021年に公開された映画『街の上で』もぜひチェックしてみてください。下北沢を舞台に、若者の友情や恋愛を描いた眩しい青春ストーリーです。監督・脚本は魚喃キリコファンでもある今泉力哉が担当しています。

登場人物の人間模様の描き方も素晴らしいですが、下北沢の街の魅力の切り取り方も秀逸です。魚喃キリコ自身も制作に協力しており、劇中には同じく下北沢が舞台の『南瓜とマヨネーズ』が映るシーンもあります。

恋愛の甘さも痛々しさも包み隠さず描いた魚喃キリコの漫画は、恋愛の難しさを知っている大人女子にこそおすすめです。つらくなるほど共感できるシーンがたくさんあります。本記事を参考に、ぜひ魚喃キリコの漫画を読んでみてください。